作品名
流水花(りゅうすいか)#002
作品情報
制作年:2021
マテリアル:流木、ガラス
サイズ:縦17cm × 横30cm × 奥行き20cm
重さ:約600g
エディション:一点物
海と空の境がわからなくなる時が好きです。
どこまでが海でどこからが空なのか、空だと思っていたら海だったとか。
トンビが飛ぶのを見て「ああ、あそこは空なんだな」と気付くくらいの曖昧さ。
どこから来たのか分からない物も好きです。流れる水に乗って、どこからやって来たのかいつから流れていたのか分からない流木に惹かれます。
海の流木も、川の流木も、ダムの流木も、それぞれに味わい深くて夢中になります。
朝日も昇る前から起き出し、今日は良い出会いがありそうと感じた日はどこへでも流木を拾いに出かけていきます。最近は伊豆が多いです。小さな半島の中に、海も山も川もダムもあってワクワクが止まりません。自然のもの、まして流木との出会いは縁としか言い様がなく、伊豆中をぐるぐる駆け回ってもひとつも出会えない日もあります。
運よく気の合いそうなコと出会えた日はハッピーです。アトリエに連れて帰ってから、大切に大切におもてなしします。真水で洗って、天日で丁寧に乾かした後に陰干しを繰り返します。防腐剤、防虫剤、ニスでお化粧をして(しないコもいますが)、箱入り娘のように大事に保管します。陳列している棚を眺めては、お嫁に行きたそうなコと目が合うまで待ちます。流木と目が合った時(波長があった時)が、そのコを作品へと昇華させるタイミングです。すぐに作品になりたがるコもいれば、何年も家から出たがらないコもいます。決して急がせず、じっと目が合うその瞬間まで待ちます。
流木はどこから来てどこに流れつくのか、本人もわかりません。そして拾われてきてからも何に変身して、そしてどこへ貰われていくのか。作品となり、飾られる場所が決まるまで流木の旅は続いているのです。そして、木として生きていた頃には絶対に出会わなかったであろう生花と組み合わせた時、最高のマリアージュが完成します。
「流水花シリーズ」は、どこからどこまで流されるか分からない、その経験を持った流木の強さ美しさ。そして合わせる古木にも物語が必要です。流木の力に負けない様、経験値の高い木を組み合わせたくなります。例えば、古い建物の縁の下に何十年も隠れていたような木材などは流木と良く気が合います。そういったかくれんぼの上手な古木や木板を求めて、こちらもやはりどこへでもお迎えに行きます。
そうして歴史と経験を持った「木」達は「木」を超えてすでに存在が芸術的で感動します。そこに合わせる生花はなんでも良いのです。あなたがふっと目についた道端の野花でも、花屋の店先で惹かれた名前も知らない一輪であっても。流水花シリーズにそっと挿すだけで、最高のマリアージュを産み出します。お花を活ける事、愛でる事は誰にでも許される最高の贅沢です。どなたでも簡単におうちにお花をお招きして貰いたい。
それを叶えるのが「流水花」シリーズです。同じものは二つとありません。全てがオンリーワンのその美しさを、あなたの手で、気ままに赴くままに完成させてください。
お取り扱い注意事項
・商品写真の生花は付属しておりません。
・永くお楽しみ頂く為、直射日光・高温・多湿を避け、風通しの良い場所に飾って下さい。
・防腐剤等を塗布している都合上、開封時に若干薬剤の匂いなどが感じられる場合がございますが、風通しの良いところに置いて頂くことで数日で解消されます。