作品名
EMBED(エンベッド)#009
作品情報
制作年:2021
マテリアル:セメント、流木、木材、ドライフラワー
サイズ:縦25cm × 横50cm× 奥行き15cm
重さ:約1,400g
エディション:一点物
コンクリートの隙間からのぞく草花。アスファルトを突き抜けて生える街路樹。
邪魔だな、雑草だなと感じて困るのは人間の勝手な考えで。
プランターの中で咲く花は褒められる。何が違うと言うのだろう。
でも、じゃあ、コンクリートを使って道路を舗装する人間は自然を破壊する悪なのか?ただ悪なだけなのか?私はそれも勝手だな、と思う。自然側の勝手な考えで。
何故なら、人間も「自然の一部」だから。人間も自分達が快適に過ごすために、生き延びる為に必死で頑張って、その成果がコンクリート舗装なのだというだけ。
草花も必死で生きている。コンクリートのほんのわずかなひび割れに地面を見つけて全力でもぐりこんでいる。その生命力は確かに美しい。
コンクリートは、人間が生み出した生活の結果。
だからこれはコンクリートVS草花の戦いではなく、人間VS草花なのだな、と気付いて道端にしゃがみこんで動けなくなった日。
アトリエに飛んで帰って、夢中で創っている間に誕生したのが「EMBED(埋め込む)シリーズ」です。私は人が大好きです。人が一生懸命生きる姿、産み出すもの全てに愛を感じます。そして同じように自然界の草花もその営みの全てが愛おしいのです。
VS、なんて戦いを続けるのではなく、融合させてしまえたら。地球規模でのエコとかそこまで大きい話は私には語る権利はありません。ただ、ただ、自分の両手が生み出すアートの中でなら、この中だけは全てが私の自由。人が生み出したコンクリートが、自然界の草花と相いれないのなら、私の世界の中だけでもひとつにして共存してみせたい!その美しさを私が見てみたい!
こうして「EMBEDシリーズ」が生まれたのは、アスファルトが熱を持つ夏の日でした。
長くしゃがみこんだ私の足はしびれ、太陽の照り返しで帽子の奥まで熱がこもったあの時、作品が湧き出す熱を感じたあの瞬間を今でも覚えています。
お取り扱い注意事項
・壁に取り付ける金具等は付属しておりません。
・永くお楽しみ頂く為、直射日光・高温・多湿を避け、風通しの良い場所に飾って下さい。
・防腐剤等を塗布している都合上、開封時に若干薬剤の匂いなどが感じられる場合がございますが、風通しの良いところに置いて頂くことで数日で解消されます。
・ドライフラワーは繊細なため、梱包には十分に注意を払っておりますが、輸送の際に欠け等が発生する場合がございます。また、開封、お取り扱いには十分にご注意ください。